フォロワーModは数多くありますが、自分の好みに設定をかえたくなります。そこで、CKとSSEEditを使って手軽にかえてみましょう。今回使うのはMizuho Follower – SSEです。
普通にインストールして動作を確認
まずは普通にインストールして動作を確認してみます。今回の作業に最低限必要と思われるModを選びました。なお、MO2ならこういった環境を簡単に用意して使い分けられるので、MO2を使うことを強くオススメします。
- SKSE64
- FNIS SE
- SkyUI
- CBPC
- XPMSSE
- ECE
- CBBE(下着あり)
- Fair Skin Complexion(CBBE用)
- The Pure(CBBE用)
- Alternate Start
- Mizuho Follower(CBBE用)
彼女はオーソドックスなフォロワーです。特にパッケージやスクリプトは持っておらず、ヴァニラフォロワーとして雇用できます。顔も体型も独自形式なので、環境に依存しません。シンプルなので、逆にカスタマイズしやすいと言えます。彼女はリフテンにいるので、Alternate Startでリフテンからスタートして会いにいきましょう。
いました。鎧を着ています。話しかけて雇用します。装備を覗いてみましょう。
剣しかでてきません。脱がせられないみたいです。服を渡しても着てくれません。鎧の方が強いからですね。このあたりをかえていきましょう。
差分パッチを作る
まず、差分パッチとなるespファイルを作ります。なぜパッチなのかというと、オリジナルのespを編集してしまうと、オリジナルがバージョンアップした時に編集がやり直しになってしまうのと、変更箇所をいつでも確認できて元に戻せるほうが便利だからです。
SSEEditを起動してMizuho Follower.espだけを読み込みます。
Non-Player Character (Actor)にある_TKHMizuhoFollowerが彼女の設定になります。
ここでSkyrimのMod作成で基本となる説明をします。Skyrimの要素はすべてBaseとReferenceで構成されています。Baseは言わば設計図であり、設計図を元に作り出されたのがReferenceになります。オブジェクト指向プログラミングでいうならば、Baseはクラス定義であり、Referenceは生成されたインスタンスです。
Actorは役者という意味ですが、Skyrimでは人や動物、モンスターはすべてActorです。CKで言うと、ActorのBaseはObject WindowのActorツリーに並んでいる項目で、ReferenceはCell Windowに配置されているObjectになります。Papyrusで言うと、BaseはActorBaseで、ReferenceはActorです。SSEEditで言うと、BaseはNon-Player Character (Actor)で、ReferenceはWorldspace(あるいはCell)にあるPlaced NPCです。
なぜBaseとReferenceにわかれているのか、ひとつでいいのではないかと思うかもしれませんが、これは、大量生産するためです。鉄の剣を例に説明します。まず、鉄の剣のBaseとなるWeaponを用意します。これが設計図です。攻撃力や見た目を決めるメッシュなどが設定されています。Baseを使って世界に配置されるのがObject Referenceです。これが実際に作られた鉄の剣そのものです。Object Referenceには所有者や座標、強化値などが設定されています。プレイヤーが手にしている鉄の剣と、山賊が手にしている鉄の剣、棚の上に置いてある鉄の剣は、それぞれが別々のObject Referenceです。でも同じひとつの設計図から作られています。
このBaseとReferenceの概念を理解するのが非常に大切です。これが理解できていないと、設計図ばかり更新して肝心の物がいつまでも古いまま、なんてことが起こるので、注意してください。
さて、彼女の設計図である_TKHMizuhoFollowerを編集します。右クリックしてCopy as override into….を選びます。
ダイアログで<new file>.espにチェックを入れてOKをクリックします。
ファイル名を付けます。Mizuho Follower Patchとしました。
右側の表示が1列増えました。これでパッチファイルができました。
パッチを編集してカスタマイズする
編集するのは右側のMizuho Follower Patch.espの方になります。
今回は以下の点を変更しました。
- ACBS – ConfigurationからEssentialを除去。(無敵では困るので)
- ACBS – ConfigurationのCalc min levelを1に変更。
- Actor Effectsを削除。(雷の魔法を持っていましたが、この辺りはフォロワー拡張で制御するのでいらない)
- WNAM – Worn Armorを削除。(独自テクスチャは邪魔なので)
- Perksをすべて削除。(いろいろと持っていますが、フォロワー拡張で制御するのでいらない)
- Itemsからエルフの剣を削除して、服を追加。
- Packagesをすべて削除。(フォロワー拡張で制御するのでいらない)
- FULL – Nameを変更。
- SHRT – Short Nameを変更。
- DOFT – Default outfitを削除。(鎧が邪魔なので)
Mizuho Follower Patch.espをアクティブにしてゲームを起動します。彼女のReferenceが生成されるのは彼女がいるリフテンのCellにはじめて行った時です。ニューゲームするか、Alternate Startのベッドの前もしくはリフテンの宿屋を出る直前でセーブしたデータをロードしましょう。変更が反映されていると思います。ですが、持たせた服を着ておらず裸です。
- フォロワーの体型は種族で決まります。
- フォロワーの装備はWorn Armorで上書きされます。Worn Armorは常に身に着けているものとなり、外すことはできません。ただし、他に防具を着た時はそちらが優先されます。絶対に脱げないローブなどはこれで実現します。
- Default outfitは初期装備です。最初から持っている武具であり、所持品にはカウントされません。ですので取り上げることはできません。武具劣化・破壊Modを入れていると、Default outfitであっても壊れます。そして、何かの拍子に元に戻ります。
- Itemsが所持品です。渡したものは所持品となり、取り上げることもできます。
彼女の場合はというと・・・
- 種族はノルドです。ヴァニラ種族です。CBBEを入れているので、CBBE体型になります。
- 彼女には裸に見える独自の防具が用意されていて、Worn Armorで指定されています。ですので、防具をすべて奪うと、最終的にこれが表示されるようになっています。この独自防具というのが、CBBEをベースにテクスチャに手が加えられたもので、言うなればCBBE改です。このためにCBBEがインストールされていない環境でも彼女だけは独自のCBBE改でいられるわけです。困ったことに、下着もなにもない裸です。これをパッチで取り除きましたので、防具をすべて奪うと本当のCBBE体型になります。
- Default outfitはエルフの鎧一式でした。これをパッチで取り除きましたので、初期装備は無しです。
- 所持品に服と靴を追加しました。インベントリを覗くとちゃんとあります。でも最初は着ていませんでした。
さて、彼女の初期スタート位置をリフテンからリバーウッドに変更します。そして、最初から服を着てもらいます。
CKでの作業
ここからCKでの作業となりますが、SSE CreationKit Fixesを入れておいてください。CKの動作が改善されます。特に今回のような、espファイルが別のespファイルを参照しているというケースでは、CKでespを開いて保存すると、別のespへの参照が失われてしまい非常に困ったことになるのですが、これがなくなるので必須です。
CKを起動してMizuho Follower Patch.espをアクティブにして読み込みます。彼女の場所の移動ですが、CKではどうやら直接動かすことはできないようです。まずリフテンに配置されている彼女のリファレンスを削除します。そしてリバーウッドに改めて配置します。
探し方ですが、Object WindowのActorsを展開し、Actorをクリックします。右の一覧の一番上にある_TKHMizuhoFollowerがBaseになります。これが彼女の設計図です。右クリックしてUse Infoを選びます。このBaseで作られたReferenceの一覧が出てきます。RiftenWorldがWorldspaceの名前、RiftenOriginがCellの名前です。これをダブルクリックすると、Cell Viewに彼女のReferenceが配置されている場所が表示されます。(表示されるまでかなり時間がかかります)
Cell Viewから彼女のReferenceを右クリックしてEditを選びます。Initially Disabledにチェックを入れます。初期状態でDisabledである、という意味です。パッチでは配置されているReferenceを削除することはできないので、このようにして対処します。
Cell ViewのWorld SpaceをInteriorsに切り替えて、RiverwoodSleepingGiantInnを開きます。Object WindowのActorから_TKHMizuhoFollowerを選んで、レンダリングウインドウにドラッグ&ドロップで配置します。(ビックリマークが出ていますが、オリジナルのespだけをロードしてもこうなるので、よくわかりませんでした)
Actorの設定で、Scriptを用意して持たせます。
WornActorEquipmentScriptの中身はこんな感じです。
1 (papyrus)
Scriptname WornActorEquipmentScript extends Actor
Bool Done = false
Event OnLoad()
if Done
return
endif
Done = true
Form[] kItems = GetContainerForms()
Int iIndex = kItems.Length
while iIndex > 0
iIndex -= 1
if kItems[iIndex] && kItems[iIndex].GetType() == 26
if !GetWornForm((kItems[iIndex] as Armor).GetSlotMask())
EquipItem(kItems[iIndex], abSilent = true)
endif
endif
endwhile
EndEvent
ゲームを起動してリフテンにいないこと、リバーウッドにいることを確認します。ちゃんと服を着ていました。
他のフォロワーも同じように編集できる
同様にYuiH Standalone Follower - Sha (Renewal) SSEもパッチを作ってカスタマイズしてみました。R18Pn 09 - Shanoa Armor - SSE - UNP UNPB 7BB Seraphim - Physicsをマスター指定して所持品として持たせてみました。
同様のことはOutfitをかえるModやフォロワー拡張の機能でもできますが、いろいろなMod環境で遊ぶ場合、毎回設定したり迎えに行ったりという同じ作業の繰り返しが面倒なので、パッチを作っておくととても楽です。